【問73】ハラスメントアドバイザー 練習問題|処分後に判明した非違行為
懲戒処分と紛争の解決 問13/20難易度C(難しい)
問題文
会社が従業員を懲戒解雇した後、その従業員が起こした訴訟の中で、処分の時点では会社が認識していなかった別の非違行為を、処分の理由として追加で主張した。この主張に関する考え方として、最も適切なものはどれか。
- 1.処分の時点で認識していなかった非違行為は、特段の事情がない限り、処分の理由にできない
- 2.処分後に判明した非違行為でも、処分の有効性を根拠づける理由として自由に追加できる
- 3.追加の理由を主張できるのは、会社が事前に労働基準監督署へ届け出ていた場合に限られる
- 4.追加の非違行為については、被害者が追加の主張に同意していれば処分の理由にできる
解説
正解は1。判例(山口観光事件、最高裁平成8年9月26日判決)は、懲戒は労働者の企業秩序違反行為を理由とする一種の秩序罰であり、その適否は処分の理由とされた非違行為との関係で判断されるべきものであるから、懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、その懲戒の有効性を根拠づける理由にできないとした。処分時に把握した事実と理由を明確にしておくことの重要性を示す判断である。2は誤り。処分後に判明した事実を自由に追加できるわけではない。3は誤り。労働基準監督署への事前の届出は、理由追加の要件ではない。4は誤り。被害者の同意は関係がない。