【問65】ハラスメントアドバイザー 練習問題|出勤停止中の賃金
懲戒処分と紛争の解決 問5/20難易度C(難しい)
問題文
会社が、セクシュアルハラスメントを行った従業員を7日間の出勤停止とし、その期間の賃金を支払わなかった。この賃金の不支給と労働基準法91条(減給の制限)の関係として、最も適切なものはどれか。
- 1.出勤停止期間中の賃金の不支給は、減給の制裁にはあたらず、91条の制限を受けない
- 2.出勤停止期間中の賃金の不支給も減給の制裁とされ、平均賃金の1日分の半額までしか認められない
- 3.賃金を支払わない出勤停止の処分は、91条に違反するためすべて無効となる
- 4.出勤停止期間中も賃金を支払う必要があり、不支給は一切認められない
解説
正解は1。出勤停止は、労務の提供を一定期間禁止する処分であり、その期間は労務の提供がないため賃金が支払われないのが一般的である。この不支給は、すでに発生した賃金から一定額を差し引く減給の制裁とは性質が異なり、労働基準法91条の制限の対象とはされない(行政解釈)。ただし、出勤停止の期間が非違行為の程度に比べて長すぎるなど相当性を欠く場合は、懲戒権の濫用として無効となり得る(労働契約法15条)。2は誤り。減給の上限は出勤停止には適用されない。3は誤り。賃金を支払わないこと自体が処分の無効原因となるわけではない。4は誤り。就業規則に定めのある出勤停止の期間中は、賃金を支払わないことが認められる。