【問59】ハラスメントアドバイザー 練習問題|電通事件の判示内容
ハラスメントの法的責任 問19/20難易度C(難しい)
問題文
長時間労働等によりうつ病を発症して自殺した労働者の遺族が会社に損害賠償を求めた電通事件(最高裁平成12年3月24日判決)が示した、使用者の注意義務として、最も適切なものはどれか。
- 1.注意義務の対象は設備や作業環境の安全に限られ、心理面の健康は含まれない
- 2.労働者本人が不調を申告した場合に限り、健康状態に配慮する義務を負う
- 3.上司は使用者の注意義務に縛られず、独自の判断で指揮監督権限を行使できる
- 4.心理的負荷等が過度に蓄積して心身の健康を損なわないよう注意する義務を負う
解説
正解は4。最高裁は、使用者は業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負い、使用者に代わって業務上の指揮監督を行う権限を有する者は、この注意義務の内容に従ってその権限を行使すべきであると判断した。これは安全配慮義務が心理面にも及ぶことを示し、ハラスメント対応でも上司の言動の管理が問われる根拠となる。1は誤り。注意義務は心身の健康を対象とし、心理的な負荷も含む。2は誤り。使用者の義務は労働者本人の申告の有無に左右されるものではない。3は誤り。指揮監督権限を持つ者は、使用者の注意義務の内容に従って権限を行使すべきとされる。