【問50】ハラスメントアドバイザー 練習問題|私用の送迎を強いる行為
ハラスメントの法的責任 問10/20難易度B(標準)
問題文
上司が部下に「言うことを聞かなければ殴る」と告げ、部下に義務のない私用の送迎を繰り返し行わせた。この行為について成立し得る犯罪として、最も適切なものはどれか。
- 1.侮辱罪(刑法231条)
- 2.強要罪(刑法223条)
- 3.名誉毀損罪(刑法230条)
- 4.傷害罪(刑法204条)
解説
正解は2。刑法223条の強要罪は、生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した場合に成立する。「殴る」と告げて義務のない私用の送迎を繰り返させた行為はこれにあたり得る。業務上の優位な立場を背景とした過大な要求が、刑事責任に発展する例である。1は誤り。侮辱罪は事実を摘示せずに公然と人を侮辱する罪であり、本件の内容とは異なる。3は誤り。名誉毀損罪は公然と事実を摘示して名誉を害する罪であり、本件では成立しない。4は誤り。傷害罪は現に人の身体を傷害した場合に成立するが、本件では殴っておらず傷害の結果もない。