ハラスメントアドバイザー認定試験とは|5課題の出題範囲・合格基準と2026年10月のカスハラ対策義務化
ハラスメントアドバイザー認定試験は、職場のハラスメントを防ぎ、起きたときに適切に対応するための知識を問う認定試験です。日本ハラスメントカウンセラー協会の試験で、案内と申込は全日本情報学習振興協会のサイトで行われています。この記事では、何を問う試験なのか、出題範囲と合格基準、受ける意味を整理します。
どんな試験か
対象は、人事・総務の担当者、管理職、社内の相談窓口の担当者です。問われるのは、たとえば次のような判断です。
- 上司の厳しい指導が、パワハラにあたるのか、適正な業務指示なのか
- 妊娠を報告した部下への言動のうち、どれが「制度の利用への嫌がらせ」になるのか
- 相談を受けたとき、会社として何をどの順番で行うべきか
- 行為者を懲戒するとき、どんな手続や限度を守る必要があるか
法律の条文を丸暗記する試験ではありませんが、労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法と、厚生労働省の指針が土台になります。
試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認定 | 日本ハラスメントカウンセラー協会(案内・申込は全日本情報学習振興協会のサイト) |
| 出題形式 | 60問・90分 |
| 合格基準 | 70%以上(問題の難易度により調整される場合がある) |
| 受験料 | 11,000円(税込)、学生 8,800円(税込) |
| 試験日 | 年4回(1月・4月・7月・10月) |
(出典: 全日本情報学習振興協会のサイトのハラスメントアドバイザー認定試験のページ、2026年10月確認)
問題数は「60問程度」と書かれている案内もあります。90分で60問なので、1問あたり1分半の計算です。時間に追われる試験ではなく、事例を読んで正しく判断できるかが問われます。
次回以降の日程はハラスメントアドバイザー認定試験の試験日程にまとめています。
出題範囲:5つの課題
| 課題 | 名前 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 課題Ⅰ | ハラスメントの理解 | パワハラの3つの要素と6つの類型、セクハラ(対価型・環境型)、マタハラ・パタハラ、性的指向・性自認に関する言動、カスタマーハラスメント |
| 課題Ⅱ | ハラスメントの法的責任等 | 行為者の不法行為責任、会社の使用者責任・安全配慮義務、刑事責任、懲戒処分、労働局の調停などの紛争解決 |
| 課題Ⅲ | 雇用管理上講ずべき措置等 | 方針の明確化と周知、相談体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応、プライバシーの保護、不利益取扱いの禁止 |
| 課題Ⅳ | 予防・再発防止 | トップメッセージ、研修、アンケートなどの実態調査、職場のコミュニケーション、再発防止策の見直し |
| 課題Ⅴ | 相談業務 | 相談窓口の担当者の役割、傾聴、二次被害の防止、相談記録、行為者からの事情聴取、専門機関との連携 |
課題Ⅰ〜Ⅲは法律と指針の理解、課題Ⅳ・Ⅴは実務の進め方が中心です。課題ごとの問題数は公表されていません。
当サイトでは、課題Ⅰ〜Ⅲを2つずつ、課題Ⅳ・Ⅴを1つずつの分野に分け、8分野・各20問の練習問題として並べています。
2026年10月の法改正との関係
2025年6月に公布された改正で、カスタマーハラスメント対策と、就職活動中の学生など求職者へのセクシュアルハラスメント対策が、事業主の雇用管理上の措置義務になりました。施行は2026年10月1日で、中小企業にも猶予はありません。
これまでの措置義務は、パワハラ(中小企業も2022年4月から義務)、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの3つでした。そこに顧客や取引先からの著しい迷惑行為への対応が加わり、企業が整える体制の範囲が広がっています。教材を選ぶときは、この改正に触れているかを1つの目安にしてください。
合格基準と難易度
合格の目安は正答率70%以上です。60問なら42問の正解にあたります。
当サイトが調べた範囲では、回ごとの合格率は見つかりませんでした。出題の中身から見ると、
- 課題Ⅰは、パワハラの6類型やセクハラの2つの型など、整理して覚えれば得点しやすい
- 課題Ⅱ・Ⅲは、法律ごとの義務の範囲や、指針が定める措置の中身など、細かい区別が問われる
- 課題Ⅳ・Ⅴは、常識で判断できる部分が多い一方、「相談者の同意なく行為者に伝える」のような、善意でもしてはいけない対応を見抜く必要がある
という性格の試験です。
受験に向いている人
- 人事・総務で、ハラスメント防止の規程づくりや研修を担当している人
- 社内の相談窓口の担当者に選ばれた人
- 部下を持つようになり、指導とパワハラの線引きを学んでおきたい管理職
- 会社全体の危機管理まで学びたい人は、あわせて企業危機・コンプライアンス管理士も選択肢になる
まず何から始めるか
当サイトではハラスメントアドバイザーの練習問題を160問、解説つきで無料公開しています。最初に、本試験と同じ60問・90分の模擬試験で、どの課題が弱いかを確かめると、その後の勉強の順番が決まります。20問で手ごたえだけ見たいときは本番形式テストが使えます。登録は不要です。
勉強の進め方はハラスメントアドバイザーの勉強法と勉強時間で、教材と過去問の事情は過去問は手に入るかで扱っています。
受験料・試験日程・出題範囲は変わることがあります。申込の前に、必ず公式サイトで最新の案内を確認してください。