【問17】企業危機・コンプライアンス管理士 練習問題|サプライヤーの強制労働への対応
企業の社会的責任とESG 問17/20難易度C(難しい)
問題文
D社は、人権デュー・ディリジェンスの調査で、一次サプライヤーの工場が労働者の旅券を預かって退職を認めない、強制労働の疑いを把握した。D社の対応として、最も適切なものはどれか。
- 1.自社の従業員の問題ではなく調達先の問題であるため、調達先の自主的な対応に委ね、自社は是正を働きかけない
- 2.事実関係を確認せずに直ちに全ての取引を打ち切り、その後は調達先の調査や改善の支援を行わない
- 3.疑いの段階では何もせず、報道や訴訟によって事実が確定してから、初めて調達先に是正を求める
- 4.事実を確認して是正を働きかけ、改善状況を追跡し、改善が見込めない場合に取引停止を検討する
解説
正解は4。指導原則や日本政府のガイドラインは、企業が人権への負の影響を把握した場合に、事実を確認し、自社の影響力を行使して取引先に是正を働きかけ、改善状況を追跡することを求める。それでも改善が見込めない場合などに、取引停止を検討する。取引停止は最後の手段と位置づけられ、安易に行うと労働者の生活を損なうなど別の人権への影響を生み得る。1は誤り。調達先の問題でも、自社の取引を通じて関与し得る負の影響には対応が求められる。2は誤り。確認なしに直ちに全ての取引を打ち切ることは、責任ある対応とはいえない。3は誤り。疑いの段階でも対応を始めるべきであり、事実の確定を待つのは遅い。