【問198】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|インコタームズの定型取引条件
企業と従業員・地域社会・国際法務 問18/20難易度B(標準)
問題文
日本の売主Xが海外の買主YにCIF条件で機械を売却したところ、航海中の荒天により貨物が損傷した。インコタームズに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.CIF条件では売主が海上保険を手配するため、航海中の物品の滅失・損傷の危険も売主が負担する。
- 2.CIF条件では、物品が船積港において本船の船上に置かれた時点で危険が買主に移転する。
- 3.インコタームズは国際条約であり、当事者が契約で引用しなくても国際売買に当然に適用される。
- 4.インコタームズの各規則は、危険の移転時期のほか、物品の所有権が移転する時期についても定めている。
解説
正解は2。CIF(運賃保険料込み)条件では、売主が仕向港までの海上運賃と海上保険を手配してその費用を負担するが、物品の滅失または損傷の危険は、船積港において物品が本船の船上に置かれた時点で買主に移転する。費用の分岐点と危険の分岐点が一致しないことがCIFの最大の特徴であり、本問の損傷の危険は買主Yが負担する。Yは売主Xが付保した保険により保険金の支払を求めることになる。
1は誤り。売主が保険を手配するのは費用負担の割り振りの問題であり、危険の移転時期を後ろにずらすものではない。危険移転の時期は、CIFと同じくFOB・CFRでも船積港の船上に置かれた時である。
3は誤り。インコタームズは国際商業会議所が定めた定型取引条件の解釈規則であって、条約でも法律でもない。当事者が契約においてこれを引用することにより、はじめて契約内容となる。版によって内容が異なるため、どの版によるかを明示することが実務上重要である。
4は誤り。インコタームズが定めるのは、危険の移転時期、運送・保険の手配、費用の負担、輸出入通関の手続の分担などであり、物品の所有権の移転時期については定めていない。所有権の移転は契約の準拠法によって決まる。
2級では、危険と費用の分岐点の相違、EXWからDDPに向かうにつれて売主の負担が大きくなるという規則の並び方が、事例の形で問われる。