【問197】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|ウィーン売買条約の適用範囲
企業と従業員・地域社会・国際法務 問17/20難易度B(標準)
問題文
国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.締約国に営業所を有する当事者間の売買契約については、当事者が合意によって同条約の適用を排除することはできない。
- 2.個人が家庭用に使用する目的で購入する物品の売買にも、同条約が当然に適用される。
- 3.同条約は売買契約の成立に加え、契約の有効性や物品の所有権移転の効果についても規律する。
- 4.同条約が適用される場合であっても、売買契約が書面によって作成されることは要件とされていない。
解説
正解は4。ウィーン売買条約は契約の方式の自由を採用しており、売買契約は書面によって締結され、または証明されることを要せず、証人を含むいかなる方法によっても証明することができる。日本は2009年8月に同条約の締約国となっており、日本企業が外国企業と物品売買を行う場合には、当事者が意識していなくても同条約が適用されうる点に注意が必要である。
1は誤り。同条約は当事者による適用の排除(オプトアウト)を認めており、契約書に同条約の適用を排除する旨や特定の国の法のみによる旨を定めれば、その意思が優先する。実務上、明示的に適用を排除する例も少なくない。
2は誤り。個人用・家族用または家庭用に購入される物品の売買(消費者売買)は適用対象から除外されている。このほか、競り売買、強制執行その他法令に基づく売買、有価証券や通貨の売買、船舶・航空機の売買、電気の売買も除外される。
3は誤り。同条約が規律するのは契約の成立と、契約から生ずる売主および買主の権利義務のみであり、契約や個別条項の有効性、および売却された物品の所有権に対する契約の効果は規律しない。これらは通則法により定まる準拠法に委ねられる。
適用の基本要件は、営業所が異なる国に所在する当事者間の物品売買であって、これらの国がいずれも締約国である場合、または国際私法の準則により締約国の法の適用が導かれる場合である。2級では適用要件と除外事由、オプトアウトの可否が問われる。