【問196】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|国際仲裁と外国判決の承認執行
企業と従業員・地域社会・国際法務 問16/20難易度C(難しい)
問題文
国際的な取引紛争の解決手段としての仲裁および外国裁判所の判決の効力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.外国仲裁判断は、ニューヨーク条約の締約国相互の間で承認および執行が認められる。
- 2.仲裁合意があっても、当事者の一方が裁判所に訴えを提起すれば、裁判所は本案について審理しなければならない。
- 3.外国裁判所の確定判決は、日本の裁判所が事件の内容の当否を改めて審理したうえで承認される。
- 4.外国判決を日本で強制執行するには執行判決が必要であるが、相互の保証の有無は承認の要件とされていない。
解説
正解は1。外国仲裁判断の承認および執行に関する条約(ニューヨーク条約)は、締約国に対し、書面による仲裁合意の効力を認めるとともに、他の締約国においてされた仲裁判断を原則として承認し執行することを義務づけている。締約国は多数にのぼるため、外国判決に比べて執行可能性が高いことが、国際取引において仲裁が選好される大きな理由である。仲裁は一審限りで非公開であり、当事者が仲裁人を選べる点も特徴である。
2は誤り。仲裁合意の対象である民事上の紛争について訴えが提起された場合、被告が仲裁合意の存在を主張して申し立てれば、裁判所は原則として訴えを却下しなければならない(妨訴抗弁)。仲裁判断は確定判決と同一の効力を有し、取消事由も限定されている。
3は誤り。外国裁判所の確定判決は、外国裁判所に国際裁判管轄が認められること、敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し等の送達を受けたことまたは応訴したこと、判決の内容および訴訟手続が日本の公の秩序または善良の風俗に反しないこと、相互の保証があることという要件を満たせば、特別の手続を要せず効力が認められる。強制執行のための執行判決を求める手続においても、裁判の当否を調査することは禁じられている。
4は誤り。相互の保証は承認の要件の一つである。なお判例は、懲罰的損害賠償を命じる部分は日本の公序に反し承認されないとしている。
2級では、仲裁と訴訟の長短を比較し、契約書に仲裁条項を置く実務上の意義を説明できることが問われる。