【問194】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|反社会的勢力の排除と暴排条項
企業と従業員・地域社会・国際法務 問14/20難易度B(標準)
問題文
企業が反社会的勢力との関係を遮断するために講ずべき対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.暴力団排除条例は一部の都道府県にのみ制定されており、条例のない地域では暴力団排除条項を定める必要はない。
- 2.契約書に暴力団排除条項を定めておけば、相手方が反社会的勢力と判明した場合に契約を解除することができる。
- 3.既に締結済みの継続的な取引については、相手方が反社会的勢力であると判明しても取引を継続するほかない。
- 4.指定暴力団の代表者は、配下の組員が資金獲得行為に伴って他人に損害を与えた場合でも、法律上の賠償責任を負うことはない。
解説
正解は2。契約書にあらかじめ暴力団排除条項(暴排条項)を定め、相手方が暴力団員等の反社会的勢力に該当することが判明した場合には催告を要せずに契約を解除できる旨を規定しておくことが、実務上の標準的な対応である。裁判例もこうした条項の有効性を認めている。政府の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」は、組織としての対応、外部専門機関との連携、取引を含めた一切の関係遮断、有事における民事と刑事の両面の法的対応、裏取引や資金提供の禁止を基本原則として示している。
1は誤り。暴力団排除条例はすべての都道府県で制定されており、事業者に対する暴力団員等への利益供与の禁止や、契約書への暴力団排除条項の導入などが定められている。
3は誤り。暴排条項を備えた契約であれば締結済みの取引であっても解除して関係を解消でき、条項がない場合でも、契約の更新拒絶や合意解約など関係遮断に向けた対応を検討すべきである。関係を漫然と継続すれば、企業自身が資金提供者とみなされ社会的信用を失う。
4は誤り。暴力団対策法は、指定暴力団の代表者等について、配下の指定暴力団員が威力を利用して資金獲得行為を行うにあたり他人の生命・身体・財産を侵害した場合の損害賠償責任を定めている。
2級では、指針・条例・暴力団対策法という三層の枠組みと、暴排条項による予防的な対応の意義が問われる。