【問190】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不当労働行為の類型
企業と従業員・地域社会・国際法務 問10/20難易度B(標準)
問題文
労働組合法が使用者に対して禁止する不当労働行為に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.使用者は団体交渉に応じる義務を負うほか、労働組合の要求に対して譲歩し合意に達する義務まで負う。
- 2.使用者が正当な理由なく団体交渉を拒むことは、不当労働行為として禁止される。
- 3.労働組合の運営のために最小限の広さの事務所を供与することは、経費援助にあたり不当労働行為となる。
- 4.不当労働行為に対する救済は裁判所への訴えによるほかなく、労働委員会に救済を申し立てることはできない。
解説
正解は2。労働組合法7条2号は、使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むことを不当労働行為として禁止している。同条は、このほか組合員であることや正当な組合活動を理由とする解雇その他の不利益取扱いおよび黄犬契約(1号)、労働組合の結成・運営に対する支配介入と経費援助(3号)、労働委員会への申立て等を理由とする報復的不利益取扱い(4号)を禁じている。
1は誤り。使用者は単に交渉の席に着くだけでなく、自らの主張の根拠を具体的に説明し資料を提示するなど誠実に交渉に応じる義務(誠実交渉義務)を負うが、労働組合の要求に譲歩し合意に達する義務まで負うものではない。
3は誤り。最小限の広さの事務所の供与は、労働組合法7条3号のただし書により経費援助から除かれており、不当労働行為とはならない。労働者が労働時間中に賃金を失うことなく使用者と協議・交渉することや、福利厚生資金への使用者の寄附も同様に除外される。
4は誤り。不当労働行為については、労働委員会に対する救済申立てという行政救済の制度が設けられており、裁判所に対する民事訴訟と併せて、または選択して利用することができる。
2級では、不当労働行為の類型ごとの成立要件と、労働委員会による救済命令という行政救済の仕組みが問われる。