【問189】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|労働者派遣の期間制限と派遣先の責任
企業と従業員・地域社会・国際法務 問9/20難易度C(難しい)
問題文
製造業を営むP社は、派遣元事業主Q社から派遣労働者Eを受け入れ、同一の課において3年を超えて継続して就業させている。この場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.派遣可能期間の制限に違反した受入れについては、P社がEに対し労働契約の申込みをしたものとみなされる。
- 2.同一の組織単位における個人単位の受入れ可能期間は、過半数労働組合の意見を聴取すれば3年を超えて延長することができる。
- 3.EがQ社に無期雇用されている派遣労働者である場合であっても、個人単位の期間制限は及ぶ。
- 4.期間制限に違反があっても、P社とEとの間に労働契約関係が生じることはなく、Q社が是正の責任を負う。
解説
正解は1。労働者派遣法は、派遣先の同一の事業所において派遣を受け入れることができる期間を原則3年とし(事業所単位)、あわせて同一の派遣労働者を同一の組織単位(課などの業務のまとまり)で受け入れる期間も3年に制限している(個人単位)。派遣先がこれに違反して労働者派遣の役務の提供を受けた場合には、労働契約申込みみなし制度により、違法な状態が生じた時点で派遣先が当該派遣労働者に対し、派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされる。派遣労働者がこれを承諾すれば、派遣先との間に労働契約が成立する。ただし派遣先が違法であることを知らず、かつ知らなかったことについて過失がなかったときは適用されない。
2は誤り。過半数労働組合等からの意見聴取によって延長できるのは事業所単位の期間であり、個人単位の3年を延長することはできない。同一の派遣労働者を継続して受け入れるには、組織単位を変更する必要がある。
3は誤り。派遣元に無期雇用されている派遣労働者、60歳以上の者、有期プロジェクト業務や日数限定業務、産前産後休業等の代替要員としての派遣は期間制限の対象外である。
4は誤り。みなし制度により、派遣先と派遣労働者との間に直接の労働契約関係が生じうる。
みなし制度は、禁止業務への派遣受入れ、無許可事業主からの受入れ、いわゆる偽装請負にも適用される。2級では違法派遣の類型とその法的効果が問われる。