【問188】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|有期労働契約の無期転換ルール
企業と従業員・地域社会・国際法務 問8/20難易度C(難しい)
問題文
1年の有期労働契約を反復更新して通算契約期間が5年6か月に達した労働者Bと、その使用者との法律関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Bが無期労働契約の締結を申し込んでも、使用者が承諾を拒めば無期労働契約は成立しない。
- 2.無期転換後のBの労働条件は、別段の定めがない限り正社員の就業規則が当然に適用され、賃金も正社員と同額になる。
- 3.Bが期間満了日までに無期労働契約の締結を申し込めば、使用者は承諾したものとみなされる。
- 4.Bに無期転換の申込権が生じるのは、通算契約期間が3年を超えた時点である。
解説
正解は3。労働契約法18条は、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の通算契約期間が5年を超える労働者が、現に締結している有期労働契約の期間が満了する日までに無期労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなすと定める。無期労働契約は、現に締結している有期労働契約の期間が満了する日の翌日から効力を生じる。
1は誤り。承諾したものとみなされる以上、使用者は承諾を拒むことができず、労働者の一方的な申込みによって当然に無期労働契約が成立する。この申込みを妨げる目的での雇止めは、雇止め法理により無効と判断されうる。
2は誤り。無期転換後の労働条件は、別段の定めがない限り従前の有期労働契約と同一である。無期になるのは契約期間についてであり、賃金・職務・勤務地が正社員と同一になるわけではない。
4は誤り。申込権が生じるのは通算契約期間が5年を超えたときである。また、契約と契約の間に一定以上の空白期間(クーリング期間)があると通算がリセットされる。
なお、更新の期待に合理的な理由がある場合などの雇止めについては、労働契約法19条の雇止め法理により、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性を欠けば従前と同一の労働条件で契約が更新されたものとみなされる。3級が有期契約の上限期間を問うのに対し、2級では無期転換の要件と転換後の労働条件まで問われる。