【問186】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|管理監督者の適用除外
企業と従業員・地域社会・国際法務 問6/20難易度C(難しい)
問題文
小売業を営むZ社の店長Dは、店舗の運営について一定の裁量を有し役職手当の支給を受けている。Dに対する労働時間規制の適用に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Dが管理監督者に該当する場合であっても、深夜労働に対する割増賃金の支払義務は免れない。
- 2.Dが管理監督者に該当すれば、年次有給休暇に関する労働基準法の規定も適用されなくなる。
- 3.店長という役職名が付され役職手当が支給されている以上、Dは当然に管理監督者に該当する。
- 4.管理監督者については、休憩に関する規定は適用されるが、労働時間および休日に関する規定は適用されない。
解説
正解は1。労働基準法41条2号は、監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)について、労働時間・休憩・休日に関する規定を適用しないと定める。もっとも適用が除外されるのはこの3つに限られ、深夜業の割増賃金に関する規定は適用除外の対象ではない。したがって管理監督者にも深夜割増賃金を支払わなければならず、最高裁もこの考え方を前提としている。
2は誤り。年次有給休暇に関する規定も適用除外の対象ではなく、管理監督者にも年次有給休暇を与えなければならない。
3は誤り。管理監督者に当たるかどうかは役職名ではなく実態によって判断され、経営者と一体的な立場といえるだけの職務内容・責任と権限を有すること、出退勤について厳格な制限を受けない勤務態様であること、地位にふさわしい賃金等の待遇を受けていることが求められる。店長という名称や役職手当の支給だけでは足りず、いわゆる名ばかり管理職は管理監督者に当たらない。
4は誤り。適用が除外されるのは労働時間・休憩・休日の三者であり、休憩に関する規定も除外される。
なお、管理監督者であっても労働安全衛生法上の労働時間の状況の把握義務の対象となり、長時間労働者に対する医師の面接指導の仕組みも及ぶ。2級では適用除外の範囲と該当性判断の実態基準の双方が問われる。