【問184】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|割増賃金の割増率と算定基礎
企業と従業員・地域社会・国際法務 問4/20難易度A(易しい)
問題文
時間外・休日・深夜の労働に対して支払われる割増賃金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.法定休日に労働させた場合の割増賃金率は、2割5分以上とされている。
- 2.通勤手当や家族手当も、労働者に現に支給されている以上は割増賃金の算定基礎に含めなければならない。
- 3.1か月について60時間を超える時間外労働については、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
- 4.法定休日の深夜に労働させた場合の割増賃金率は、休日割増と深夜割増を重ねて計算する必要はなく3割5分で足りる。
解説
正解は3。労働基準法37条1項ただし書は、1か月について60時間を超える時間外労働については5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと定める。中小企業に対する適用猶予は2023年4月1日に終了しており、現在は企業規模を問わず適用される。労使協定を締結すれば、引上げ分の支払に代えて有給の代替休暇を与えることもできる。
1は誤り。法定休日に労働させた場合の割増率は3割5分以上である。2割5分以上は、法定労働時間を超える時間外労働および深夜労働の割増率である。
2は誤り。割増賃金の算定基礎からは、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金が除外される。この除外は限定列挙であり、これら以外の手当は算定基礎に含まれる。また、手当の名称ではなく、扶養家族数や通勤距離に応じて支給されるという実質によって判断される。
4は誤り。深夜労働の割増は他の割増と重複して発生するため、法定休日の深夜労働については3割5分に2割5分を加えた6割以上となる。もっとも、法定休日には法定労働時間の概念がないため、休日割増と時間外割増は重複しない。
3級が割増率の記憶にとどまるのに対し、2級では重複適用の可否や算定基礎から除外される賃金の範囲まで問われる。