【問112】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|不公正取引に対する制裁の仕組み
金融・証券業等に関する法規制 問12/20難易度C(難しい)
問題文
金融商品取引法に違反する不公正取引に対して用意されている制裁の仕組みについて、最も適切なものはどれか。
- 1.課徴金は裁判所が刑事手続の中で科す刑罰の一種であり、行政庁がこれを命ずることはできない。
- 2.課徴金納付命令の対象となるのは開示書類の虚偽記載に限られ、インサイダー取引がその対象となることはない。
- 3.不公正取引には刑事罰と課徴金納付命令の双方があり得るが、罰金が確定した場合には罰金相当額が課徴金の額から控除される。
- 4.法人の従業者がその法人の業務に関しインサイダー取引を行った場合であっても、当該法人が罰金を科されることはなく、違反行為により得た財産が没収・追徴されることもない。
解説
正解は3。インサイダー取引や相場操縦などの不公正取引については、刑事罰のほかに行政上の措置である課徴金納付命令が用意されている。課徴金は違反行為による経済的利得の剥奪を目的とする金銭的負担であり、刑罰とは性質を異にするため併科され得るが、二重の負担を避けるため、同一の事件について罰金が確定したときは罰金相当額を課徴金の額から控除する調整が行われる。1は誤り。課徴金は証券取引等監視委員会の勧告を経て行政庁が命ずるものであり、刑罰ではない。2は誤り。開示書類の虚偽記載のほか、インサイダー取引や相場操縦、風説の流布も課徴金の対象となる。4は誤り。両罰規定により法人にも罰金が科され、違反行為により得た財産は没収・追徴の対象となる。なおインサイダー取引の法定刑は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金またはこれらの併科である。2級では、行政上の措置と刑事罰が併存する構造を理解しておきたい。