【問113】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|適合性の原則
金融・証券業等に関する法規制 問13/20難易度A(易しい)
問題文
金融商品取引業者等の勧誘を規律するいわゆる適合性の原則について、最も適切なものはどれか。
- 1.適合性の原則は業界団体の自主ルールにすぎず、法令上の根拠がないため、これに反しても行政処分の対象とはならない。
- 2.業者は顧客の知識・経験・財産の状況や契約締結の目的に照らして不適当な勧誘をしてはならず、著しく逸脱した勧誘は不法行為ともなり得る。
- 3.この原則が問題となるのは顧客が個人である場合に限られ、法人顧客に対する勧誘には及ばない。
- 4.この原則に反する勧誘であっても、顧客が自らの判断で取引を行った以上、業者が民事上の損害賠償責任を負うことはなく、監督官庁による行政処分の対象となるにとどまる。
解説
正解は2。金融商品取引法は、金融商品取引業者等に対し、顧客の知識、経験、財産の状況および金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることのないよう業務を運営すべきことを求めている。判例も、顧客の意向と実情に反して明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘した場合には、適合性の原則から著しく逸脱した勧誘として不法行為法上も違法となるとしている。1は誤り。法令上の根拠を有する行為規制であり、違反は業務改善命令等の行政処分の対象となる。3は誤り。法人顧客であってもその知識・経験・財産の状況等に照らして判断され、規制が及ばないわけではない。4は誤り。著しい逸脱があれば民事上の損害賠償責任も生じ得る。2級では、行政規制の違反が直ちに私法上の違法となるわけではなく、著しい逸脱という限度で不法行為が成立するという段階的な理解が求められる。