【問154】管理業務主任者 練習問題|大規模修繕工事の進め方と調査診断
建物の構造と維持保全 問14/20難易度B(標準)
問題文
大規模修繕工事の標準的な進め方と、その出発点となる調査診断(劣化診断)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.大規模修繕工事は、長期修繕計画に記載された時期と工事項目のとおりに実施することが原則であるため、建物の劣化状況の調査診断は工事の着手後に施工者が行えば足りるとされている。
- 2.調査診断は、設計図書や修繕履歴の確認、居住者へのアンケート等の予備調査から始め、目視や打診による現地調査を経て、必要に応じて中性化試験や鉄筋探査などの詳細な調査へ進める。
- 3.施工者の選定は修繕設計に着手する前に行い、選定した施工者に設計の内容を委ねることが、設計監理方式による大規模修繕工事の標準的な手順であるとされている。
- 4.工事の完了後に管理組合が竣工検査を行って問題がないことを確認すれば、施工者の保証責任はその時点で終了するため、保証期間中のアフター点検を行う必要はないとされている。
解説
正解は2。大規模修繕工事は、一般に、修繕委員会の設置等の準備、調査診断、修繕基本計画の策定、修繕設計、施工者選定、総会決議、工事の実施、竣工検査、アフター点検という流れで進められる。出発点となる調査診断は、設計図書・修繕履歴の確認や居住者アンケートなどの予備調査、目視・打診・簡易な計測による現地調査(一次診断)を行い、その結果に応じて中性化試験、鉄筋探査、コア採取、赤外線調査などの非破壊・微破壊による詳細診断へ進み、劣化度の評価と修繕の要否・時期を報告書にまとめる。1は誤り。長期修繕計画はあくまで計画であり、実際の劣化状況を調査診断で確認した上で工事の範囲や時期を決定する。3は誤り。設計監理方式では、調査診断と修繕設計を行った上で、その設計・仕様に基づき見積りを取って施工者を選定する。4は誤り。竣工検査の後も、保証期間内の定期的なアフター点検を行い、不具合があれば施工者に是正を求めることが重要である。本試験では、工程の順序と、各段階で行う調査や手続の対応関係が問われる。