【問147】管理業務主任者 練習問題|鉄筋の爆裂と断面修復
建物の構造と維持保全 問7/20難易度B(標準)
問題文
築35年の鉄筋コンクリート造の甲マンションで、外壁の梁の下端のコンクリートが押し出されるように剥落し、錆びた鉄筋が露出している箇所が発見された。この現象への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.補修に当たっては、浮いているコンクリートを必ずはつり取り、露出した鉄筋の錆を除去し、防錆処理を施した上で、ポリマーセメントモルタル等により欠損した断面を修復する。
- 2.はつり作業によって周囲の健全なコンクリートまで損傷させるおそれがあるため、浮いたコンクリートは除去せず、その上から樹脂モルタルで表面を覆って固定する方法が最も適切である。
- 3.この現象は乾燥収縮によってコンクリートが剥落したものであって鉄筋の腐食とは無関係であるから、ひび割れの補修と同様に表面をシール材で覆う処理を行えば十分である。
- 4.鉄筋の位置やかぶり厚さを非破壊で調べる方法は存在しないため、同様の現象が他の梁にも潜んでいるかどうかは、実際に剥落が生じるまで判断することができない。
解説
正解は1。設問の現象は、鉄筋の腐食により生じた錆が体積膨張し、かぶりコンクリートを押し出して剥落させる爆裂である。補修は、浮いた部分や脆弱なコンクリートをはつり取り、露出した鉄筋の錆をワイヤブラシ等で除去(ケレン)し、防錆材を塗布した上で、ポリマーセメントモルタル等の断面修復材で欠損部を復旧し、仕上げを行うのが標準的な手順である。鉄筋の断面欠損が大きい場合には鉄筋の補強も検討する。2は誤り。浮いたコンクリートを残したまま表面を覆っても内部の腐食は進行し、剥落の危険も残るため、脆弱部の除去が不可欠である。3は誤り。爆裂の原因は中性化や塩害等による鉄筋の腐食であり、単なる表面処理では腐食の進行を止められない。4は誤り。電磁波レーダー法や電磁誘導法により鉄筋の位置やかぶり厚さを非破壊で測定することができ、中性化深さの調査と併せて他の部位の危険性を予測することができる。また、落下のおそれのあるコンクリート片は、本格的な補修に先立って応急的に除去し、通行者の安全を確保することも重要である。本試験では、爆裂の原因と補修手順の順序が問われる。