【問146】管理業務主任者 練習問題|ひび割れの種類と発生原因
建物の構造と維持保全 問6/20難易度B(標準)
問題文
鉄筋コンクリート造のマンションに生じるひび割れの種類とその発生原因に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.乾燥収縮によるひび割れは、コンクリートの打込み直後の硬化前にのみ生じるものであり、竣工から数年を経過した建物の壁や床スラブに新たに発生することはない。
- 2.沈下ひび割れとは、建物の完成後に地盤の不同沈下によって壁面に生じる斜め方向のひび割れをいい、コンクリートの硬化前に鉄筋に沿って生じるひび割れとは区別される。
- 3.アルカリシリカ反応によるひび割れは、骨材中の反応性シリカとセメント中のアルカリ分が反応して生じた生成物が吸水して膨張することで生じ、亀甲状を呈することが多い。
- 4.梁の端部に生じる斜め方向のひび割れは、その大部分が乾燥収縮によるものであるため、構造上の安全性に関わることはなく、幅の大小にかかわらず美観上の補修を行えば足りる。
解説
正解は3。アルカリシリカ反応(ASR)は、骨材に含まれる反応性シリカがセメント中のアルカリ分と反応してアルカリシリカゲルを生成し、これが水分を吸って膨張することでコンクリートに亀甲状(網目状)のひび割れを生じさせる劣化現象であり、水分の供給を断つことが進行の抑制につながる。1は誤り。乾燥収縮ひび割れは、コンクリート中の水分が蒸発して収縮することにより硬化後に生じるもので、開口部の隅角部や壁の中央部、床スラブなどに長期間にわたって発生する。打込み直後の硬化前に生じるのは沈下ひび割れやプラスチック収縮ひび割れである。2は誤り。沈下ひび割れ(沈みひび割れ)は、打込み後のコンクリートが硬化前に沈下する際に鉄筋やセパレーターに引っ掛かって鉄筋に沿って生じる初期ひび割れであり、地盤の不同沈下によるものとは異なる。4は誤り。梁端部の斜めひび割れは、せん断力による構造ひび割れの可能性があり、荷重や地震力に起因するものは構造上の検討を要する。ひび割れの補修は、幅や挙動の有無に応じて樹脂注入工法やUカットシール材充填工法などが選択される。本試験では、ひび割れの形状や発生時期から原因を推定できるかが問われる。