【問142】管理業務主任者 練習問題|中性化と鉄筋腐食のメカニズム
建物の構造と維持保全 問2/20難易度B(標準)
問題文
コンクリートの中性化とそれに伴う鉄筋の腐食に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.中性化が進行するとコンクリート自体の圧縮強度が急激に失われるため、中性化深さが数ミリに達した時点で構造体としての耐力はほぼなくなり、直ちに建替えの検討を要する。
- 2.中性化深さの測定にはフェノールフタレイン溶液が用いられ、これを噴霧すると中性化した部分が赤紫色に変色し、アルカリ性を保っている健全な部分は変色しない。
- 3.中性化は湿潤な環境や水中で最も速く進行し、乾燥した屋内側のコンクリートではほとんど進行しないため、屋内側については中性化の調査を省略することができる。
- 4.中性化とは空気中の二酸化炭素によりコンクリートのアルカリ性が失われる現象で、鉄筋位置まで達すると不動態皮膜が壊れ、水と酸素の供給により腐食が進む。
解説
正解は4。コンクリートは水酸化カルシウムを含む強アルカリ性であるが、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムに変わると、表面から次第にアルカリ性を失う。これが中性化であり、中性化深さはおおむね経過年数の平方根に比例して進行する。中性化がかぶり部分を通過して鉄筋に達すると、鉄筋を守っていた不動態皮膜が破壊され、水と酸素が供給される環境では鉄筋が錆びる。錆びた鉄筋は体積が膨張し、かぶりコンクリートにひび割れや剥落(爆裂)を生じさせる。1は誤り。中性化自体がコンクリートの圧縮強度を直ちに低下させるわけではなく、問題となるのは鉄筋の腐食である。2は誤り。フェノールフタレイン溶液はアルカリ性の健全部を赤紫色に変色させ、中性化した部分は変色しない。3は誤り。中性化は乾燥した環境で進みやすく、水中ではほとんど進行しないため、屋内側の方が進行が速いこともある。本試験では、中性化の原因物質、判定方法、鉄筋腐食との関係が繰り返し問われる。