【問117】管理業務主任者 練習問題|正味財産と次期繰越収支差額の一致(計算問題)
管理組合の会計と仕訳 問17/20難易度C(難しい)
問題文
甲マンション管理組合の管理費会計における令和8年3月31日現在の貸借対照表の資産の部は、現金預金4,200,000円、未収金300,000円、前払金100,000円で構成され、負債の部は、未払金500,000円、前受金200,000円、預り金100,000円で構成されている。また、同会計の前期繰越収支差額は3,300,000円であった。この場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.貸借対照表の正味財産の額は期末の現金預金の残高と一致するのが原則であるから、次期繰越収支差額は4,200,000円となり、当期収支差額は前期繰越収支差額との差である900,000円である。
- 2.正味財産の額は資産合計4,600,000円から負債合計800,000円を差し引いた3,800,000円であり、これが次期繰越収支差額と一致するから、当期収支差額は500,000円である。
- 3.次期繰越収支差額は負債を控除する前の資産合計4,600,000円と一致するから、当期収支差額はこれから前期繰越収支差額を差し引いた1,300,000円である。
- 4.負債の部のうち前受金と預り金は翌期に管理組合の収入となる金銭であるから正味財産に含めて計算し、次期繰越収支差額は4,100,000円、当期収支差額は800,000円である。
解説
正解は2。貸借対照表では、資産合計から負債合計を差し引いた額が正味財産となる。本問の資産合計は現金預金4,200,000円、未収金300,000円、前払金100,000円の合計4,600,000円、負債合計は未払金500,000円、前受金200,000円、預り金100,000円の合計800,000円であるから、正味財産は3,800,000円である。管理組合会計では正味財産は次期繰越収支差額として表示され、収支報告書の次期繰越収支差額と一致する。次期繰越収支差額は前期繰越収支差額に当期収支差額を加えた額であるから、当期収支差額は3,800,000円から3,300,000円を差し引いた500,000円と求められる。1は誤り。発生主義のもとでは未収金・前払金・未払金・前受金・預り金が存在するため、次期繰越収支差額は現金預金の残高とは一致しない。3は誤り。負債を控除する前の資産合計は正味財産ではない。4は誤り。前受金や預り金は負債であり、正味財産には含まれない。特に預り金は返還すべき金銭であって収入になることもない。本試験では、「次期繰越収支差額=正味財産=資産−負債」の関係から当期収支差額を逆算させる計算問題や、現金預金の残高と繰越収支差額が一致しない理由が問われる。