【問111】管理業務主任者 練習問題|複数年分の保険料一括払いの仕訳
管理組合の会計と仕訳 問11/20難易度B(標準)
問題文
甲マンション管理組合(会計年度は4月1日から翌年3月31日まで)は、令和8年4月1日に共用部分を対象とする損害保険契約(保険期間3年)を締結し、3年分の保険料360,000円を同日に一括して支払った。管理組合の会計は発生主義によるものとして、この保険料に関する仕訳として最も適切なものはどれか。
- 1.支払時に(借方)保険料 360,000 /(貸方)現金預金 360,000 とし、翌期以降は仕訳を行わない
- 2.支払時に(借方)保険料 120,000 前払金 240,000 /(貸方)現金預金 360,000 とし、翌期に(借方)保険料 120,000 /(貸方)前払金 120,000 とする
- 3.支払時に(借方)保険料 120,000 前受金 240,000 /(貸方)現金預金 360,000 とし、翌期に(借方)前受金 120,000 /(貸方)現金預金 120,000 とする
- 4.支払時に(借方)前払金 360,000 /(貸方)現金預金 360,000 とし、翌期以降の各期に(借方)保険料 120,000 /(貸方)現金預金 120,000 とする
解説
正解は2。3年分の保険料を一括して支払った場合、発生主義のもとでは当期に対応する1年分(360,000円÷3年=120,000円)だけが当期の支出(保険料)となり、翌期以降の2年分240,000円は、支払済みであるがまだ支出として発生していない額として前払金(資産)に計上する。翌期には1年分120,000円を前払金から保険料に振り替え、その翌期にも同様に振り替えることで、各期に均等に保険料が計上される。なお、支払時にいったん全額を保険料とし、決算時に翌期以降分を前払金に振り替える方法によっても、期末の計上額は同じになる。1は誤り。3年分を全額当期の支出とすると当期の支出が過大になり、翌期以降の支出が計上されない。3は誤り。前受金は収入を先に受け取った場合に用いる負債の科目であり、支出の前払いには前払金を用いる。また翌期には現金の支出はない。4は誤り。翌期以降に現金預金を減少させる仕訳をすると、すでに支払済みの保険料を再度支払ったことになってしまう。本試験では、前払金は「支払済み・未発生の支出」を表す資産の科目であり、貸借対照表の資産の部に計上される点が問われる。