【問102】管理業務主任者 練習問題|発生主義と現金主義による収入計上時期の違い
管理組合の会計と仕訳 問2/20難易度B(標準)
問題文
甲マンション管理組合(会計年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)では、令和8年3月分の管理費のうち区分所有者Aの負担分30,000円が3月末時点で未入金であり、同年4月10日に入金された。この管理費の収入計上の時期に関する次の記述のうち、発生主義および現金主義の考え方に照らして最も適切なものはどれか。
- 1.現金主義によれば、Aの3月分管理費30,000円は3月分として請求した時点で当期(令和7年4月1日から令和8年3月31日まで)の収入に計上され、4月の入金時には改めて収入を計上しない。
- 2.発生主義によれば、Aの3月分管理費30,000円は実際に入金された令和8年4月10日の属する翌期の収入として計上され、当期の収支報告書には反映されないことになる。
- 3.管理組合の会計は現金主義によることが標準管理委託契約書で定められているため、Aの3月分管理費30,000円は入金のあった翌期の収入として処理しなければならない。
- 4.管理組合の会計は発生主義によるのが通例であるため、Aの3月分管理費30,000円は当期の収入として計上し、3月末の貸借対照表には同額を未収金として計上する。
解説
正解は4。発生主義とは、現金の収受・支払の時点ではなく、収入・支出の原因となる事実(債権・債務の発生)が生じた時点で計上する考え方であり、現金主義とは現金の収受・支払の時点で計上する考え方である。管理組合の会計は、期間ごとの収支を正確に把握するため企業会計と同様に発生主義によるのが通例であり、収支報告書や貸借対照表もこれを前提に作成される。3月分の管理費は3月に発生した債権であるから、入金の有無にかかわらず当期の管理費収入に計上し、未入金分は未収金(資産)として貸借対照表に計上する。翌期に入金されたときは未収金の減少として処理し、収入を二重に計上しない。1は誤り。請求(発生)の時点で収入を計上するのは発生主義の考え方であり、現金主義の説明として逆になっている。2は誤り。入金時に計上するのは現金主義であり、発生主義では当期の収入となる。3は誤り。管理組合会計は現金主義ではなく発生主義によるのが通例であり、標準管理委託契約書にも現金主義とする定めはない。本試験では、発生主義の帰結として未収金・未払金・前受金・前払金といった経過勘定が生じる点が着眼点となる。