【問90】管理業務主任者 練習問題|区分所有権の相続と滞納管理費の承継
民法と関連法令 問10/20難易度B(標準)
問題文
甲マンションの区分所有者Aが管理費を滞納したまま死亡した場合の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.Aに複数の相続人がいる場合、滞納管理費債務は遺産分割が終了するまでの間、共同相続人の1人が全額について履行の責任を負う。
- 2.Aの相続人が家庭裁判所に相続放棄の申述をして受理された場合、その相続人は初めから相続人とならなかったものとみなされ、滞納管理費の債務を承継しない。
- 3.Aの相続人が複数いる場合、そのうちの1人は他の相続人の同意を得ることなく単独で限定承認をすることができる。
- 4.Aに相続人のあることが明らかでない場合、その滞納管理費債権は請求すべき相手方が存在しないため、管理組合は当然に消滅時効の完成を待たずして債権を放棄したものとみなされる。
解説
正解は2。相続放棄をした者は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされるため、被相続人の権利義務を一切承継せず、滞納管理費の債務についても承継しない。1は誤り。金銭債務のような可分債務は、相続開始と同時に法律上当然に分割され、各共同相続人がその相続分に応じて承継すると解されており、1人が全額の履行責任を負うものではない。3は誤り。限定承認は、相続人が数人あるときは、共同相続人の全員が共同してのみすることができる。4は誤り。相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となり、家庭裁判所が選任した相続財産の清算人によって清算手続が進められ、債権者への弁済や特別縁故者への財産分与等を経てなお残余財産があれば国庫に帰属する。管理組合は、相続放棄や相続人不存在の場合の滞納管理費の回収手続を理解しておく必要がある。