【問88】管理業務主任者 練習問題|共用部分の瑕疵による工作物責任
民法と関連法令 問8/20難易度B(標準)
問題文
甲マンションの共用部分である外階段の手すりの設置又は保存に瑕疵があったために通行人Eが転落して負傷した場合の土地工作物責任に関する次の記述のうち、民法717条の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.共用部分の手すりの設置又は保存に瑕疵があったことによりEに損害が生じた場合、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明したときであっても、占有者はその損害賠償責任を免れることができないとされている。
- 2.占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明して損害賠償責任を免れる場合、共用部分の所有者である区分所有者も、自己に過失がなかったことを証明すれば同様に損害賠償責任を免れる。
- 3.占有者又は所有者がEに対して損害を賠償した場合であっても、瑕疵について責任を負うべき施工業者など他に損害の原因について責任を負う者があるときに、その者に対して求償をすることはできない。
- 4.共用部分の手すりの瑕疵によりEに損害が生じた場合、占有者が必要な注意をしていたことを証明したときは、所有者である区分所有者が責任を負い、その責任は無過失責任である。
解説
正解は4。土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者が損害賠償責任を負うのが原則であるが、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明したときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。所有者の責任は占有者の免責事由による証明を許さない無過失責任である点に特色がある。1は誤り。占有者は必要な注意をしていたことを証明すれば責任を免れることができる。2は誤り。所有者の責任は無過失責任であり、注意を尽くしたことを証明しても免責されない。3は誤り。損害を賠償した占有者又は所有者は、瑕疵の発生について他に責任を負うべき者があるときは、その者に対して求償することができる。共用部分の管理を行う管理組合が事実上の占有者と評価される場合が多く、施工業者への求償の可否も併せて問われうる。