【問87】管理業務主任者 練習問題|専有部分の賃貸借と対抗力・敷金
民法と関連法令 問7/20難易度B(標準)
問題文
区分所有者Aが自己の専有部分を賃借人Dに賃貸している場合の賃貸借に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.Aが賃借人Dに専有部分を引き渡していても、賃借権の登記を経ていない限り、その後Aが専有部分を第三者に譲渡した場合、Dは新たな所有者に賃借権を対抗することができない。
- 2.Dが専有部分の使用を終えてAに明け渡す前であっても、賃貸借契約が終了した時点で、AはDから交付を受けた敷金を直ちに返還しなければならない。
- 3.専有部分の所有権が譲渡されて賃貸人の地位が新所有者に移転した場合、敷金に関する権利義務は、特段の合意がなくても新賃貸人に承継される。
- 4.Dは、専有部分の使用によって生じた通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化についても、賃貸借終了時に原状に回復する義務を負う。
解説
正解は3。建物の賃貸借において、賃貸人たる地位が譲渡等により第三者に移転した場合、賃借人から交付を受けた敷金に関する権利義務は、未払賃料等があればこれを敷金から当然に控除した上で、特段の合意なくして新賃貸人に承継される。1は誤り。建物の賃貸借は、引渡しがあれば、その後に登記を備えていなくても、新たな所有者その他の第三者に対抗することができる。2は誤り。敷金の返還義務は、賃貸借が終了し、かつ賃借人が建物の返還を受けたときに発生するのであって、賃貸借の終了時点で直ちに返還義務が生ずるわけではない。4は誤り。賃借物の通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化については、賃借人は原状回復義務を負わない。区分所有者が専有部分を第三者に賃貸する場面でも、これらの賃貸借の一般規定がそのまま適用される。