【問86】管理業務主任者 練習問題|委任契約の規律と管理委託契約
民法と関連法令 問6/20難易度B(標準)
問題文
管理組合が管理業者との間で締結する管理委託契約は事務の委託を目的とする準委任契約としての性質を有するところ、委任契約に関する民法の規律についての次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.管理業者は、管理委託契約が有償であるか無償であるかを問わず、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって管理事務を処理する義務を負う。
- 2.管理業者の委任事務の処理状況に関する報告義務は、管理組合から請求があった場合に限り生ずるものであり、管理組合が特に請求しない限り、委託契約が終了した後にその経過及び結果を報告する必要はない。
- 3.管理組合及び管理業者は、委任契約の性質上、やむを得ない事由がない限り管理委託契約を中途で解除することができない。
- 4.管理業者は、管理組合の許諾を得ず、かつやむを得ない事由がない場合であっても、委任事務の処理を自由に第三者に再委託することができる。
解説
正解は1。委任は、有償・無償を問わず、受任者が委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって事務を処理すべき義務(善管注意義務)を負う。管理委託契約は管理事務という法律行為でない事務の委託であるため準委任として委任の規定が準用される。2は誤り。受任者は委任者の請求があるときはいつでも事務処理の状況を報告しなければならないほか、委任が終了した後は、請求の有無にかかわらず遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。3は誤り。委任は各当事者がいつでも解除することができるのが原則であり、相手方に不利な時期の解除や受任者の利益をも目的とする委任の解除については損害賠償が問題となるにとどまる。4は誤り。受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任して事務を処理させることができない。管理委託契約の内容が管理組合の利益に直結するため、これらの規律の理解が重要である。