【問82】管理業務主任者 練習問題|理事長の代理権と無権代理・表見代理
民法と関連法令 問2/20難易度B(標準)
問題文
甲マンション管理組合の理事長Cが、理事会の承認を得ずに管理組合を代表して大規模修繕工事の請負契約を締結した場合の代理に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.理事長Cが締結した契約について、管理組合が相当の期間を定めて追認するかどうかを催告したにもかかわらずその期間内に確答がなかったときは、管理組合が追認したものとみなされ、当然に管理組合に効力を生ずる。
- 2.理事長Cに代理権がなくても、管理組合がCに代理権があるかのような外観を作出し、相手方がそれを信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理が成立し、管理組合は契約上の責任を免れない。
- 3.相手方が、理事長Cに当該工事契約締結の代理権のないことを過失によって知らなかった場合であっても、Cは無権代理人として履行又は損害賠償の責任を免れることができない。
- 4.管理組合が理事長Cの無権代理行為を追認した場合、その効力は追認の意思表示をした時から将来に向かってのみ生じ、契約が締結された当初の時点に遡って効力を生ずることはない。
解説
正解は2。代理権のない者が代理人と称して契約をした場合でも、本人が代理人らしい外観を作出しており、相手方がその代理権の存在を信じ、かつそう信じたことについて正当な理由があるときは、表見代理が成立し、本人は契約上の責任を免れない。理事長という肩書の付与や従前の取引慣行などが外観の基礎となりうる。1は誤り。本人に対して相当の期間を定めて追認するかどうかを催告し、その期間内に確答がないときは、追認を拒絶したものとみなされる。3は誤り。無権代理人は、相手方が代理権のないことを過失により知らなかったときは、原則として履行又は損害賠償の責任を負わない。ただし無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときはこの限りでない。4は誤り。本人が追認したときは、別段の意思表示がない限り、契約は締結の時に遡って効力を生ずる。理事長の代理権の範囲は規約や理事会決議によって限定されうるため、その範囲を超えた行為の効力が問題となる。