【問37】管理業務主任者 練習問題|占有者に対する引渡し請求
区分所有法(集会・規約・義務違反・復旧建替え) 問17/20難易度B(標準)
問題文
甲マンションの区分所有者Aから専有部分を賃借している占有者Dは、共同の利益に反する行為を繰り返しており、その行為による共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去することが困難である。Dに対する引渡し請求に関する次の記述のうち、区分所有法の規定および判例によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.引渡し請求の訴えは、共同の利益に反する行為をしているD本人のみを被告として提起すれば足り、Dに専有部分を賃貸しているにすぎないAを被告に加える必要はない。
- 2.引渡し請求の訴えを提起するための集会の決議に際しては、Dに対してだけでなく、賃貸人であるAに対しても弁明する機会を与えなければならず、これを欠く決議は無効である。
- 3.区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議に基づき、訴えをもって、AD間の賃貸借契約の解除およびDが占有する専有部分の引渡しを請求することができる。
- 4.引渡し請求の対象となる占有者は、Dのように賃料を支払って専有部分を占有する賃借人に限られ、Aから使用貸借により無償で専有部分を借り受けている占有者は対象とならない。
解説
正解は3。占有者が共同の利益に反する行為をし、その行為による共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員または管理組合法人は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議に基づき、訴えをもって、当該占有者が占有する専有部分の使用または収益を目的とする契約の解除およびその専有部分の引渡しを請求することができる。引渡しを受けた者は、遅滞なく、その専有部分を占有する権原を有する者(本問ではA)に引き渡さなければならない。1は誤り。この訴えは賃貸借契約の解除を含むので、占有者Dと賃貸人であるAの双方を被告として提起しなければならない。2は誤り。判例は、弁明の機会は占有者に与えれば足り、賃貸人である区分所有者に与える必要はないとしている。4は誤り。対象となる契約は使用または収益を目的とする契約であり、賃貸借に限らず使用貸借も含まれる。訴えの相手方が区分所有者と占有者の双方であること、弁明の機会は占有者のみでよいこと、引渡しを受けた後は占有権原者に引き渡すことが、本試験で問われる要点である。