【問30】管理業務主任者 練習問題|規約の変更と特別の影響を受ける区分所有者の承諾
区分所有法(集会・規約・義務違反・復旧建替え) 問10/20難易度B(標準)
問題文
甲マンションにおいて、1階の店舗部分を所有する区分所有者Aにのみ認められている共用部分の専用使用権を廃止する内容の規約の変更が、集会において区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数で可決された。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定および判例によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.この規約の変更がAの権利に特別の影響を及ぼすべきものであるときは、各4分の3以上の多数による集会の決議に加えてAの承諾を得なければならず、Aの承諾がない限り規約の変更は効力を生じない。
- 2.規約の変更は各4分の3以上の多数による集会の決議によって行うことができ、Aが決議に反対した場合でも決議の効力はAに及ぶから、Aの承諾の有無が規約の変更の効力に影響することはない。
- 3.規約の設定および変更には各4分の3以上の多数による集会の決議を要するが、規約の廃止は区分所有者に対する制約を取り除くものにすぎないから、区分所有者および議決権の各過半数の決議で足りる。
- 4.Aの承諾を要する「特別の影響」があるといえるのは、規約の変更によってAが区分所有権そのものを失う場合に限られ、専用使用権を消滅させるにとどまる場合には、Aの承諾を要することはない。
解説
正解は1。規約の設定、変更または廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって行う。さらに、規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならず、承諾を得ずにされた規約の変更は効力を生じない。判例は、「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、規約の設定・変更等の必要性および合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有者が受忍すべき限度を超える不利益を受けると認められる場合をいうとしている。特定の区分所有者に認められていた専用使用権を消滅させる変更は、これに当たり得る典型例である。2は誤り。多数決の要件を満たしても、特別の影響を受ける者の承諾がなければ規約の変更は効力を生じない。3は誤り。設定・変更・廃止のいずれも各4分の3以上の特別決議を要し、廃止だけが普通決議で足りるという区別はない。4は誤り。区分所有権を失う場合に限られず、受忍限度を超える不利益であれば承諾が必要となる。本試験では、決議要件の分数とともに、承諾を要する場合の判断基準が問われる。