【問19】管理業務主任者 練習問題|所有者不明・管理不全専有部分と管理人の選任
区分所有法(専有部分・共用部分・敷地・管理者) 問19/20難易度C(難しい)
問題文
所有者不明専有部分管理制度および管理不全専有部分管理制度に関する次の記述のうち、改正区分所有法(2026年4月1日施行)の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.所有者不明専有部分管理制度は、区分所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない専有部分について、集会の普通決議により管理者を当該専有部分の管理人に選任し、管理者にその専有部分を管理させる制度である。
- 2.所有者不明専有部分管理制度は、区分所有者の所在が不明な専有部分について、集会の決議によってその区分所有者を決議の母数から除外することを内容とする制度であり、その専有部分を管理する管理人が選任されることはない。
- 3.管理不全専有部分管理制度は、専有部分の管理が不適当であることにより他人の権利や利益が侵害されるおそれがある場合などに、裁判所が利害関係人の請求により管理人を選任し、その専有部分を管理させる制度である。
- 4.所有者不明専有部分管理制度において選任された管理人は、専有部分の保存に必要な行為をする権限のみを有し、裁判所の許可を得た場合であっても、その専有部分を売却することはできない。
解説
正解は3。改正前から、民法の所有者不明建物管理制度および管理不全建物管理制度は区分所有建物の専有部分および共用部分には適用しないものとされており、放置された専有部分に対処する手段が乏しかった。改正区分所有法は、区分所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない専有部分について裁判所が利害関係人の請求により所有者不明専有部分管理人を選任する制度と、区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによって他人の権利または法律上保護される利益が侵害され、またはそのおそれがある場合に裁判所が利害関係人の請求により管理不全専有部分管理人を選任する制度を創設した。いずれも裁判所の命令によって管理人が選任され、集会の決議で管理人を定めるものではない。1は誤り。管理人を選任するのは裁判所であり、集会の決議や管理者の当然就任によるものではない。2は誤り。所在等不明区分所有者を決議の母数から除外する仕組みは裁判所の決定による別の制度であり、所有者不明専有部分管理制度は専有部分を管理する管理人を裁判所が選任する制度である。4は誤り。所有者不明専有部分管理人は、裁判所の許可を得れば専有部分の売却などの処分も行うことができる。管理不全共用部分管理制度を含む三つの財産管理制度が、いずれも裁判所による管理人の選任を核とする点が本試験の着眼点である。