【問20】管理業務主任者 練習問題|管理不全共用部分管理制度の趣旨
区分所有法(専有部分・共用部分・敷地・管理者) 問20/20難易度B(標準)
問題文
管理不全共用部分管理制度に関する次の記述のうち、改正区分所有法(2026年4月1日施行)の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1.管理不全共用部分管理制度は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることにより他人の権利や利益が侵害されるおそれがある場合などに、裁判所が利害関係人の請求により選任した管理人に共用部分を管理させる制度である。
- 2.管理不全共用部分管理制度により管理人を選任するには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議を要し、この決議を経て管理者が裁判所に申立てをしない限り、裁判所は管理人を選任することができないものとされている。
- 3.管理不全共用部分管理制度における管理人は、建物の所在地を管轄する市町村長が選任するものとされ、選任された管理人は、その職務の執行について市町村長の監督に服する。
- 4.管理不全共用部分管理制度は、改正前から区分所有建物の共用部分に適用されていた民法の管理不全建物管理制度を区分所有法に移したものであり、管理人の権限や選任の手続に変更はない。
解説
正解は1。区分所有者の高齢化や所在不明化、管理への無関心が進むと、管理組合が機能せず、共用部分の修繕が行われないまま放置されて外壁の落下などにより周囲に危険を及ぼすおそれがある。ところが改正前は、民法の管理不全建物管理制度は区分所有建物の共用部分には適用しないものとされており、管理不全に陥った共用部分に外部から関与する手段がなかった。そこで改正区分所有法は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによって他人の権利または法律上保護される利益が侵害され、またはそのおそれがある場合に、裁判所が利害関係人の請求により管理不全共用部分管理人を選任し、共用部分の管理を行わせる制度を創設した。2は誤り。管理人の選任は裁判所の命令によるものであり、集会の特別多数決議は要件とされていない。3は誤り。管理人を選任するのは市町村長ではなく裁判所である。4は誤り。民法の制度は共用部分に適用されておらず、改正法によって新たに設けられた制度である。所有者不明専有部分・管理不全専有部分・管理不全共用部分の三つの制度がいずれも裁判所による管理人の選任を核とし、集会の決議や行政庁の処分によるものではないことが本試験の着眼点である。