【問198】賃貸不動産経営管理士 練習問題|紛争解決手段の比較と選択
賃貸管理の意義と管理士の役割 問13/15難易度C(難しい)
問題文
賃貸住宅をめぐる紛争を解決するための手段について、次の記述のうち最も適切なものはどれか。
- 1.少額訴訟は訴額が300万円以下の金銭の支払を求める場合に利用することができ、その審理は複数回の期日にわたって行われるのが原則とされている。
- 2.民事調停は簡易裁判所に申し立てるものであり、調停が成立してその内容が調書に記載されると、裁判上の和解と同一の効力を有する。
- 3.強制執行を認諾する旨の記載がある公正証書を作成しておけば、賃料の支払だけでなく建物の明渡しについても直ちに強制執行をすることができる。
- 4.賃貸借に関する紛争は訴訟によってのみ解決することができ、当事者間の交渉や裁判外の紛争解決手続によって解決を図ることは法律上認められていない。
解説
正解は2。民事調停は簡易裁判所に申し立て、裁判官または民事調停官と民事調停委員で構成される調停委員会が当事者の互譲による解決を仲介する手続である。当事者間に合意が成立し、その内容が調書に記載されると、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有するため、債務名義として強制執行の基礎とすることができる。話合いによる解決でありながら執行力が備わる点が調停の特徴である。1は誤り。少額訴訟は訴額60万円以下の金銭の支払の請求に限って利用でき、特別の事情がある場合を除き最初の期日で審理を終えて即日判決が言い渡される。金額と審理の回数の両方が誤っている。3は誤り。強制執行認諾文言のある公正証書が債務名義となるのは金銭の一定額の支払等を目的とする請求についてであり、建物の明渡しはこれに含まれない。明渡しの強制執行には確定判決、和解調書、調停調書などの債務名義が必要である。4は誤り。当事者間の交渉のほか、裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律にもとづく認証紛争解決手続など、訴訟以外の解決手段が広く用いられている。手続ごとの要件と効力を対比して覚えたい。