【問180】賃貸不動産経営管理士 練習問題|借家人賠償責任と個人賠償責任
賃貸業への支援業務(税・保険・証券化) 問10/15難易度B(標準)
問題文
借主Bの不注意により借用部分から出火し、借用部分のほか階下の他の借主の家財も焼損した場合における保険による対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.失火の責任に関する法律により、Bに重大な過失がない限り貸主Aに対して責任を負うことはないこととなるため、Bがあらかじめ借家人賠償責任保険に加入しておく必要はない。
- 2.借用部分の損害についてAに対して負う賠償責任は借家人賠償責任保険で、階下の借主の家財についての賠償責任は個人賠償責任保険で対応するのが一般的である。
- 3.個人賠償責任保険は、借主が借りている部屋そのものに生じた損害について貸主に対して負う賠償責任についても、当然に補償の対象としている。
- 4.借家人賠償責任保険は貸主が自己の所有する建物のために加入する保険であり、借主がこれに加入することは制度上予定されていない。
解説
正解は2。借家人賠償責任保険は、借主が借用している部分を火災や水濡れ等により損壊させ、賃貸借契約上の原状回復義務や返還義務の不履行として貸主に対して負う損害賠償責任を補償するものである。これに対し、階下の借主のような第三者の身体や財物に生じた損害についての賠償責任は、日常生活に起因する賠償責任を対象とする個人賠償責任保険で対応するのが一般的である。1は誤り。失火の責任に関する法律は不法行為による責任を重大な過失がある場合に限る法律であり、賃貸借契約に基づく債務不履行責任には適用されない。したがって軽い過失であっても借主は貸主に対する責任を免れず、保険による備えが必要となる。3は誤り。個人賠償責任保険は借用している部屋自体に生じた損害についての賠償責任を対象外とするのが通常であり、この部分を補うのが借家人賠償責任保険である。4は誤り。借家人賠償責任保険は借主が自らのために加入するもので、家財の火災保険に特約として付帯する形が多い。賠償の相手方が誰かによって用いる保険が異なる。