【問168】賃貸不動産経営管理士 練習問題|鍵の引渡しと入居時の現況確認
入居者の募集と広告規制 問13/15難易度B(標準)
問題文
貸主Aの賃貸住宅に借主Bが入居するにあたり、管理業者Cが行う鍵の引渡しと室内の現況確認について、最も適切なものはどれか。
- 1.入居時の現況を記録した書面は借主が単独で作成して保管すれば足り、貸主側の立会いや確認を得る必要はない。
- 2.通常の使用によって生じた損耗や経年変化についても、賃借人は原状回復義務を負う。
- 3.賃料の支払義務は、鍵の引渡しを受ける前であっても賃貸借契約を締結した日から当然に生じる。
- 4.入居時に確認した傷や汚損を写真等で記録しておくことは、退去時の原状回復をめぐる紛争の防止に役立つ。
解説
正解は4。賃貸借の終了時に生じる原状回復をめぐる争いの多くは、その損傷が入居中に生じたものか入居前から存在していたものかを判別できないことに起因する。そこで鍵を引き渡す際に、貸主側と借主が立ち会って室内や設備の状態を確認し、傷や汚損の位置と程度を現況確認リストや写真として記録し、同じ内容を双方が保管しておくことが有効である。国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドラインも、入退去時における物件状況の確認を重視している。1は誤り。借主が一方的に作成した記録は、貸主が内容を争ったときに証拠としての力が弱く、双方の確認を得ておくことに意味がある。2は誤り。賃借人の原状回復義務からは、通常の使用収益によって生じた損耗と経年変化が除かれている(民法621条)。3は誤り。賃料は目的物を使用収益させることの対価であるから、契約を締結しただけで当然に発生するのではなく、通常は引渡しを受けて使用収益が可能となる賃貸借の開始日から発生する。入居時の記録が退去時の判断の出発点となる。