【問117】賃貸不動産経営管理士 練習問題|保証金と敷引きの取扱い
金銭の管理と会計 問7/20難易度C(難しい)
問題文
保証金の名称で授受される金銭および居住用建物の賃貸借に付された敷引特約の効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.敷引特約は、敷引金の額が賃料の額等に照らし高額に過ぎると評価される場合を除き、直ちに無効とはならない。
- 2.敷引特約は消費者契約法に反して無効であるから、賃貸人は敷金から通常損耗の補修費用を控除することが一切できない。
- 3.保証金の名称で授受された金銭は、実質が担保目的であっても敷金に関する規定の適用を受けることはない。
- 4.敷引特約が定められている場合、賃貸人は敷引金とは別に通常損耗の原状回復費用も当然に請求できる。
解説
正解は1。敷引特約とは、賃貸借の終了時に、賃借人が交付した敷金や保証金のうち一定額を返還しない旨の特約をいう。判例は、居住用建物の賃貸借に付された敷引特約について、通常損耗等の補修費用として通常想定される額、賃料の額、礼金等の一時金の授受の有無およびその額に照らし、敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には消費者契約法10条により無効となるが、そうでない限り直ちに無効とはならないとしている(最高裁平成23年3月24日判決)。2は誤り。敷引特約が一律に無効とされているわけではない。3は誤り。敷金とは、いかなる名目によるかを問わず賃借人の債務を担保する目的で交付される金銭をいうから(民法622条の2第1項)、保証金の名称であっても実質が担保目的であれば敷金に関する規定が適用される。4は誤り。通常損耗および経年変化は賃借人の原状回復義務の範囲から除かれているから(民法621条)、敷引金とは別にその補修費用を当然に請求することはできない。一時金は名称ではなく実質で判断するという視点が重要である。