【問116】賃貸不動産経営管理士 練習問題|敷金返還請求権が発生する時点
金銭の管理と会計 問6/20難易度B(標準)
問題文
建物賃貸借が終了した場合における敷金返還請求権の発生時期に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.敷金返還請求権は賃貸借契約が終了した時点で発生し、明渡し前でも賃借人は返還を請求できる。
- 2.賃借人は、敷金の返還を受けるまで建物の明渡しを拒むことができ、両者は同時履行の関係に立つ。
- 3.敷金返還請求権は、賃貸借が終了し賃貸人が建物の返還を受けた時に、残額について発生する。
- 4.賃貸人が建物を第三者に譲渡して賃貸人の地位が移転しても、敷金の返還義務は旧賃貸人に残る。
解説
正解は3。敷金返還請求権は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに、受け取った敷金の額から賃借人の債務の額を控除した残額について発生する(民法622条の2第1項1号)。1は誤り。契約の終了だけでは足りず、明渡しが完了して初めて返還請求権が具体化する。明渡しまでに生ずる未払賃料や原状回復費用を控除する必要があるからである。2は誤り。明渡しが先履行であり、敷金の返還と建物の明渡しは同時履行の関係に立たない(最高裁昭和49年9月2日判決)。したがって賃借人は、敷金が返還されないことを理由に明渡しを拒むことはできない。4は誤り。賃貸人たる地位が建物の譲受人に移転したときは、敷金の返還に係る債務は譲受人が承継する(民法605条の2第4項)。なお、賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときにも敷金返還請求権は発生し(民法622条の2第1項2号)、敷金関係が新賃借人に当然に承継されるわけではない。明渡しが先、敷金返還が後という順序を確実に押さえる。