【問113】賃貸不動産経営管理士 練習問題|賃料の増減額をめぐる手続の流れ
金銭の管理と会計 問3/20難易度C(難しい)
問題文
借地借家法32条に基づく建物の借賃の増減額請求権の行使および増減額をめぐる手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.賃料増減額請求権は形成権であり、その意思表示が相手方に到達した時から将来に向かって効力を生ずる。
- 2.賃料の増減額を求める訴えは、当事者間の協議が調わなければ調停を経ることなく直ちに提起できる。
- 3.増額請求を受けた借主は、裁判が確定するまでの間、賃貸人が請求する額の賃料を支払わなければならない。
- 4.減額請求について裁判で確定した額を超えて受領していた賃貸人は、超過額のみを返還すれば足りる。
解説
正解は1。借地借家法32条1項の借賃増減額請求権は、相手方の同意を要せず一方的な意思表示によって法律関係を変動させる形成権であり、その意思表示が相手方に到達した時から将来に向かって賃料額を相当額に変更する効力を生ずる。過去にさかのぼって賃料を変更することはできない。2は誤り。賃料の増減額を求める訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならないとされており(調停前置主義)、協議、調停、訴訟という順序をたどることになる。3は誤り。増額について当事者間に協議が調わないときは、増額請求を受けた借主は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、自ら相当と認める額の賃料を支払えば足りる(同条2項)。ただし裁判で確定した額に不足があるときは、不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付して支払わなければならない。4は誤り。減額の場合、賃貸人は減額を正当とする裁判が確定するまでは相当と認める額の支払を請求できるが、確定後に受領額が超過していたときは、超過額に年1割の割合による利息を付して返還する必要がある(同条3項)。増減額請求は、形成権であること、将来効しかないこと、年1割の利息が付されることの3点で整理する。