【問107】賃貸不動産経営管理士 練習問題|残置物の処理と死後事務の委任
契約の終了・更新と原状回復 問17/20難易度C(難しい)
問題文
単身の賃借人が死亡した場合における残置物の取扱いおよび死後事務の委任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.残置物は相続財産であるから、賃貸人が相続人の承諾を得ずに処分すれば損害賠償責任を負うおそれがある。
- 2.残置物は賃貸借の終了と同時に所有権が賃貸人に移転するから、賃貸人は相続人を探すことなく自由に処分することができる。
- 3.国土交通省および法務省が策定したモデル契約条項では、残置物の処理を委託する受任者には賃貸人がなることが推奨されている。
- 4.賃借人が生前に第三者との間で死後の事務を委任する契約を結んでいても、死亡によって委任は終了するため残置物の処理を委ねることはできない。
解説
正解は1。賃借人が死亡しても室内の家財の所有権は相続人に承継されるため、賃貸人が相続人の承諾を得ずにこれを搬出・処分すれば、所有権の侵害として不法行為責任を問われるおそれがある。2は誤り。賃貸借が終了しても残置物の所有権が賃貸人に移転することはない。3は誤り。国土交通省と法務省が公表した残置物の処理等に関するモデル契約条項では、受任者は賃貸人以外の第三者とすることが望ましいとされている。賃貸人が受任者を兼ねると、早期の処分を望む立場と相続人の利益との間で利益相反が生じるおそれがあるためである。4は誤り。委任は委任者の死亡によって終了するのが原則であるが、当事者が死亡後も効力を存続させる合意をすることは妨げられず、死後事務委任契約として有効に締結できると解されている。単身高齢者の入居を円滑にする仕組みとして理解しておきたい。