【問104】賃貸不動産経営管理士 練習問題|敷金から控除できる費用の範囲
契約の終了・更新と原状回復 問14/20難易度A(易しい)
問題文
賃貸借の終了に伴う敷金の精算において賃貸人が敷金から控除することができる費用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.通常の使用によって生じた損耗に相当する部分の費用は、賃借人の負担とならないため敷金から控除することができない。
- 2.賃借人が入居中に自らの過失で壁を破損させた場合の補修費用は、賃借人の負担であっても敷金から控除することはできない。
- 3.退去の時までに支払われていない賃料は、敷金とは別に請求すべきものであり、敷金から控除することは認められない。
- 4.賃借人が負担すべき原状回復費用が敷金の額を超えるときであっても、賃貸人はその超過する額を請求することができない。
解説
正解は1。敷金は賃貸借に基づいて生ずる賃借人の金銭債務を担保するものであり、賃貸人は賃貸物の返還を受けたときに、敷金の額から賃借人の債務の額を控除した残額を返還する(民法622条の2第1項)。もっとも控除できるのは賃借人が負担すべき債務に限られる。原状回復義務からは、通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化が除かれている(民法621条)から、これらに相当する費用はそもそも賃借人の債務とならず、敷金から控除することはできない。2は誤り。賃借人の過失による損傷の補修費用は賃借人が負担すべきものであり、控除の対象となる。3は誤り。敷金が担保する債務には未払賃料が当然に含まれる。4は誤り。敷金は担保にすぎないから、賃借人の負担額が敷金の額を超えるときは、賃貸人は超過分を別途請求することができる。控除できる範囲は原状回復義務の範囲によって決まる点が要点である。