【問100】賃貸不動産経営管理士 練習問題|民法が定める原状回復義務の範囲
契約の終了・更新と原状回復 問10/20難易度A(易しい)
問題文
賃貸借が終了した場合における賃借人の原状回復義務の範囲に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化は、賃借人が原状に復すべき損傷に含まれない。
- 2.賃借人は、通常の使用によって生じた損耗についても、契約に定めがあるかどうかにかかわらず原状回復義務を負う。
- 3.賃借人は、自らの責めに帰することができない事由によって生じた損傷についても原状回復義務を負う。
- 4.原状回復とは賃借人が入居した当時の状態に戻すことをいい、経年変化によって古くなった部分も新品同様にしなければならない。
解説
正解は1。民法621条は、賃借人は賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において賃貸借が終了したときはその損傷を原状に復する義務を負うと定めつつ、その損傷から、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を明文で除いている。2は誤り。通常損耗は原状回復の対象外であり、当然に賃借人の負担となることはない。通常損耗の補修を賃借人に負わせるには、その旨が契約書に具体的に明記されるなどして賃借人が明確に認識し合意したといえることが必要であるとするのが判例である。3は誤り。同条ただし書は、損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは原状回復義務を負わないとする。4は誤り。原状回復は入居当時の状態に戻すことではなく、新品に交換させる制度でもない。通常損耗と経年変化が除かれることは条文上の帰結であり、確実に押さえておきたい。