【問93】賃貸不動産経営管理士 練習問題|更新拒絶に必要な正当事由の判断
契約の終了・更新と原状回復 問3/20難易度B(標準)
問題文
Aは自己所有の建物を期間2年の約定でBに賃貸している。Aが期間の満了に際して更新を拒絶しようとする場合の正当事由に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.Aが建物の使用を必要とする事情だけでなく、Bが建物の使用を必要とする事情も考慮される。
- 2.Aが立退料を支払う旨の申出をすれば、他の事情を検討するまでもなく正当事由が認められる。
- 3.正当事由の有無はAとBが建物の使用を必要とする事情のみによって判断され、従前の経過や建物の現況が考慮されることはない。
- 4.Aが明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出をした場合であっても、その申出が正当事由の判断で考慮されることはない。
解説
正解は1。借地借家法28条は、賃貸人による更新拒絶の通知や解約の申入れについて、賃貸人および賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況および建物の現況、ならびに賃貸人が明渡しの条件としてまたは明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができないと定める。したがってBの側の使用の必要性も当然に判断要素となる。2は誤り。立退料はあくまで他の事情を補完する要素であり、申出があれば正当事由が満たされるというものではない。3は誤り。従前の経過や建物の現況も条文が挙げる考慮要素である。4は誤り。財産上の給付の申出は考慮要素として明記されている。正当事由は諸事情の総合判断であり、単一の事情で結論が決まらないことを意識したい。