【問86】賃貸不動産経営管理士 練習問題|第三者が占有を妨げている場合の借主の対応
賃貸借契約と借地借家法 問21/25難易度B(標準)
問題文
貸主Aが所有する建物を借主Bが賃借し引渡しを受けていたところ、第三者Cが正当な権原なくその建物の一部を占有し始めた。Bのとりうる対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Bは賃借権を有するにすぎないため、Cに対して明渡しを求めることはできず、Aによる請求を待つほかない。
- 2.Bは対抗要件を備えているので、Cに対して自らその建物の返還を請求することができる。
- 3.Bが自ら対応するには、あらかじめAから明渡請求権の譲渡を受けたうえで裁判上の請求をしなければならない。
- 4.Bは占有を妨げられた場合に限り妨害の停止を求められるが、占有を奪われたときは請求できないとされている。
解説
正解は2。民法605条の4は、不動産の賃借人が対抗要件を備えた場合において、その不動産の占有を第三者が妨害しているときは妨害の停止を請求でき、その不動産を第三者が占有しているときはその返還を請求できると定める。建物賃貸借では借地借家法31条により建物の引渡しが対抗要件となるため、引渡しを受けたBは自らCに対して返還を請求できる。1は誤り。賃借権は債権であるが、対抗要件を備えた不動産賃借権には右の規定により妨害排除・返還請求が認められており、賃貸人の請求を待つ必要はない。3は誤り。同条は賃借人自身の請求権を定めたもので、賃貸人から請求権の譲渡を受ける必要はない。4は誤り。占有を妨害されている場合の妨害停止請求と、占有を奪われている場合の返還請求は、いずれも同条が認めている。占有訴権とは別に賃借人自身の権利として整理されている点を押さえておきたい。