【問79】賃貸不動産経営管理士 練習問題|建物の引渡しによる対抗力
賃貸借契約と借地借家法 問14/25難易度B(標準)
問題文
借主Bの建物賃借権を、その後に建物を取得した者に対抗できるかに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.Bは賃借権の設定登記を備えていなければ、その後に建物を取得した者に賃借権を対抗できない。
- 2.Bが建物の引渡しを受けていれば、その後にその建物について物権を取得した者に対抗できる。
- 3.Bは、賃貸人との賃貸借契約書を所持していれば、それだけで第三者に賃借権を対抗できる。
- 4.Bは賃貸人に対し、賃借権の設定登記の手続に協力するよう請求する権利を当然に有する。
解説
正解は2。借地借家法31条は、建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずると定める。鍵の引渡しを受けて現実に建物の使用を始めていれば、所有者が代わっても賃借権を主張でき、明渡しを求められることはない。1は誤り。民法605条は不動産賃貸借の登記による対抗力を定めるが、建物賃貸借では引渡しでも足りる。3は誤り。契約書の所持は対抗要件ではなく、契約の存在を示す証拠にすぎない。4は誤り。賃借権の登記には賃貸人の協力が必要であるところ、判例は、特約がない限り賃借人に登記請求権は認められないとしている。民法の登記と借地借家法の引渡しという二本立ての関係を整理しておきたい。