【問44】賃貸不動産経営管理士 練習問題|退去時の原状回復と管理業者の関与
管理受託契約 問19/20難易度B(標準)
問題文
賃貸借契約の終了に伴う原状回復と、これに管理業者が関与する場面に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.賃借人は、通常の使用によって生じた損耗や経年変化についても原状に復する義務を負うのが民法の原則である。
- 2.賃借人が負担するのは故意過失や善管注意義務違反等によって生じた損傷であり、通常損耗や経年変化は含まれない。
- 3.原状回復をめぐるトラブルとガイドラインは法規範であり、これと異なる内容の特約は当然に無効となる。
- 4.管理業者が賃貸人の委託を受けて退去時の立会いを行う場合でも、負担区分の説明は賃貸人自身が行わなければならない。
解説
正解は2。賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、賃貸借が終了したときはその損傷を原状に復する義務を負うが、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化は除かれる(民法621条)。したがって賃借人が負担するのは、故意過失や善管注意義務違反、通常の使用を超える使用によって生じた損傷である。1は誤り。通常損耗と経年変化の回復費用は賃料に含まれていると考えられ、賃貸人の負担となる。3は誤り。原状回復をめぐるトラブルとガイドラインは、裁判例や実務の蓄積を踏まえて国土交通省が示した指針であって、それ自体に法的拘束力はない。民法621条は任意規定であるから、通常損耗を賃借人の負担とする特約も、内容が具体的に明示され賃借人が合意しているなどの要件を満たせば有効となりうる。4は誤り。立会いや負担区分の説明は、賃貸人の委託を受けた管理業者が行うことができ、実務上の重要な役割である。