【問38】賃貸不動産経営管理士 練習問題|管理の実施と注意義務違反の責任
管理受託契約 問13/20難易度B(標準)
問題文
賃貸人Aから建物の維持保全を受託した賃貸住宅管理業者Cが、定期点検で容易に発見できたはずの外壁の劣化を放置していたところ、外壁の一部が剥落して通行人Dが負傷した。この場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.Cが無報酬で管理業務を引き受けていた場合には、善良な管理者の注意義務を負うことはない。
- 2.建物の設置又は保存の瑕疵によって生じた損害について、所有者であるAは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを証明すれば責任を免れる。
- 3.Dに対して損害を賠償したAが、Cに対して債務不履行に基づく責任を追及することはできない。
- 4.Cは委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって管理業務を処理する義務を負い、これを怠った以上Aに対する責任を免れない。
解説
正解は4。管理受託契約は準委任を中心とする契約であり、受任者である管理業者は、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負う(民法644条)。管理を専門とする事業者には、その専門性に応じた程度の注意が求められるから、定期点検で容易に発見できた劣化を放置したCは、注意義務違反として賃貸人Aに対する債務不履行責任を負う。1は誤り。委任における善管注意義務は、報酬の有無にかかわらず負うものである。2は誤り。土地の工作物の設置又は保存に瑕疵がある場合、占有者は損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを証明すれば免責されるが、所有者は免責されず、過失がなくても被害者に対して損害賠償責任を負う(民法717条1項)。3は誤り。AはCの義務違反によって被った損害の賠償を請求することができる。