【問127】企業危機・コンプライアンス管理士 練習問題|秘密管理性の判断
情報漏えい・労務・製品事故 問7/20難易度B(標準)
問題文
A社は新製品の原価計算表を、パスワードやアクセス権限を設定せず、秘密である旨も表示しないまま社内の共有フォルダに保存していた。退職者がこの表を競合他社に持ち込んだ場合の評価として、最も適切なものはどれか。
- 1.原価計算表は有用な情報なので、管理の状況にかかわらず営業秘密として保護される
- 2.社内の者しか閲覧できないので、表示やアクセス制限がなくても秘密管理性は満たされる
- 3.競合他社が実際に利用した事実が確認できれば、その時点で秘密管理性が認められる
- 4.秘密と認識できる管理がなされておらず、秘密管理性を欠くため保護されないおそれが高い
解説
正解は4。営業秘密として保護されるには、有用性や非公知性に加えて、秘密として管理されていること(秘密管理性)が必要である。秘密管理性は、アクセス制限や秘密の表示などにより、従業員が情報を秘密と認識できる状態かどうかで判断される(経済産業省の営業秘密管理指針)。本事例はそうした措置が何もないため、保護されないおそれが高い。1は管理の状況を問わないとする点が誤り。2は社内限定というだけでは足りない。3は競合他社による利用の事実は秘密管理性の判断と無関係で、後から認められるものでもない。平時からのアクセス権限の設定、秘密表示、退職時の誓約書などが重要である。