【問50】企業危機・コンプライアンス管理士 練習問題|火災保険と契約条項の位置づけ
リスクと危機 問10/20難易度B(標準)
問題文
D社は、工場の火災による損失に備えて火災保険を契約し、あわせて取引先との契約で、一定の損害を相手方が負担する条項を設けた。この対応に最も近いリスク対応の選択肢はどれか。
- 1.リスク回避であり、火災が生じ得る工場の操業そのものを取りやめる対応にあたる
- 2.リスク低減であり、火災が発生する可能性そのものを確実にゼロにする対応にあたる
- 3.リスク移転であり、損失が生じた際の財務的な負担を保険会社や契約相手に移す対応にあたる
- 4.リスク保有であり、損失が生じても外部に負担を求めず、自社の資金で処理する対応にあたる
解説
正解は3。火災保険の契約や、契約条項で損害の一部を相手方に負担させる対応は、損失が生じた場合の財務的な負担を保険会社や契約相手に移すものであり、リスク移転にあたる。1は誤り。操業そのものをやめるのはリスク回避であり、本件では操業を続けている。2は誤り。保険は火災の発生可能性を下げるものではなく、損失の負担を移す手段である。また、発生可能性を確実にゼロにする対応は現実にはほとんど存在しない。4は誤り。外部に負担を求めており、自社の資金だけで処理する保有の説明にあたらない。なお、移転できるのは主に財務的な負担であり、社会的信用の低下まで移せるわけではない点に注意が必要である。