【問200】ビジネス実務法務検定2級 練習問題|外国公務員贈賄の規制
企業と従業員・地域社会・国際法務 問20/20難易度B(標準)
問題文
海外での事業活動における外国公務員贈賄の規制に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.外国公務員贈賄罪は、贈賄行為が日本国内で行われた場合に限り処罰の対象となる。
- 2.行政手続を円滑に進めるための少額の支払であれば、外国公務員に対するものであっても一律に処罰の対象外とされている。
- 3.外国公務員贈賄罪は行為をした個人のみを処罰するものであり、その者が所属する法人が処罰されることはない。
- 4.国際的な商取引に関し不正の利益を得る目的で外国公務員に利益を供与する行為は、処罰の対象となる。
解説
正解は4。不正競争防止法は、何人も、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、外国公務員等に対し、その職務に関する行為をさせもしくはさせないこと、またはその地位を利用して他の外国公務員等に職務に関する行為をさせるようあっせんをさせることを目的として、金銭その他の利益を供与し、またはその申込みもしくは約束をしてはならないと定める。OECDの外国公務員贈賄防止条約を国内で担保する規定であり、違反には10年以下の拘禁刑もしくは罰金またはこれらの併科が定められている。ここでいう外国公務員等には、外国政府の職員のほか、公的企業の事務に従事する者や公的国際機関の職員も含まれる。
1は誤り。日本国民が国外で行った贈賄行為も処罰の対象となる(国外犯処罰)。海外子会社を通じた贈賄であっても、日本の親会社の役職員が関与すれば処罰されうる。
2は誤り。手続を円滑にするための少額の支払(ファシリテーション・ペイメント)について例外を認める法制もあるが、日本の不正競争防止法にはそのような例外規定はなく、少額であっても違法となりうる。
3は誤り。両罰規定により、行為をした個人だけでなく、その法人にも重い罰金刑が科される。
2級では、海外事業のコンプライアンス体制の一環として、本罪の要件と国外犯処罰の範囲、経済産業省の指針に沿った社内規程の整備が問われる。